ハコフグ科
[Ostraciidae]



ハコフグ科は,フグ目モンガラカワハギ亜目に属し,
フグ目フグ亜目に属するフグ科とハリセンボン科とは,
ちょいと距離があります。
世界に6属15種,日本には3属9種いるとか。

フグ科のお魚のように内蔵毒は持ちませんが,
体表からパフトキシンという毒を分泌して,
外敵から身を守ります。
パフトキシンは赤血球を破壊するんだって。
結構な毒で,1トン水槽でも魚が全滅するくらいとか。
自分自身も死ぬほどらしい・・・

パフトキシンという名前は,
ハワイでハコフグの仲間をパフと呼ぶことにちなんでおり,
それに,毒を意味するトキシンがくっついたんですね。

パフトキシンには,いくつか種類があるようで,
ウミスズメ,シマウミスズメ,
クロハコフグはパフトキシンを,
ハコフグはデアセチルパフトキシンを,
それぞれ持っているそうです。
両者の違いは・・・ 面倒なので調べてません(汗)



フグ目 モンガラカワハギ亜目 ハコフグ科
ハコフグ科 コンゴウフグ属 ウミスズメ
シマウミスズメ
ハコフグ属 クロハコフグ
ミナミハコフグ
ハコフグ



ウミスズメ
Lactoria diaphana
2007.6.16 柏島 
雄は,サッカー場くらいの縄張りを持ち,
雌1〜3匹を軟禁状態で囲っています。
雄雌比は,ほぼ1:1らしいので,雄は大変だね。

ハコフグ科のお魚は,小さい幼魚が愛らしいけど,
ウミスズメの幼魚は,でかいらしい。
テニスボールくらいとか。
シマウミスズメ
Lactoria fornasini
2007.6.16 柏島 
雄はバスケットボールのコートくらいの縄張りに,
複数の雌を,軟禁状態で囲ってます。
他の雄が来ると,鮮やかな青い線が浮かび上がり,
背中に黒くにじんだ模様が出ます。

身体の横断面は五角形で,
身体中央の鋭い棘ひとつと,目の上の角が特徴。
クロハコフグ(メス)
Ostracion meleagris
2007.5.2 Palau 
名前通りの黒いハコフグですが,
雌雄で見た目が異なります。
青地に黄色い水玉の派手な雄と,
黒字に白い水玉のシックな雌。

雌と同系模様の幼魚は,目が大きくて萌え系♪
雄も見たいが,幼魚を見たい!
ミナミハコフグ(オス)
Ostracion cubicus
2005.12.6 Maldives 
ミナミハコフグ(メス)
Ostracion cubicus
2007.5.4 Palau 
ミナミハコフグ(幼魚)
Ostracion cubicus
2008.7.12 菖蒲沢 
ミナミハコフグの成魚に興味のある人は,
結構レアなのでは?
雄は尾鰭の付け根が黄色くて,雌は地味!
私は興味あるんですがね・・・

圧倒的人気は,やっぱり幼魚。
黄色に黒の水玉は,とても可愛い♪
ハコフグ
Ostracion immaculatus
2006.9.30 中木 
鱗が変形した骨板が連結してできた,
堅い箱に覆われてます。横断面は四角形。
顎,鰭,尾部しか動きません。
お魚なのに,泳ぎがヘタ♪

大人の雄は背中が鮮やかな青らしい。
ある人の帽子になってますね。
ハコフグ(メス)
Ostracion immaculatus
2008.7.12 菖蒲沢 
20cmくらいで,この地味なカラーリング。
きっとメスでしょうね。

ハコフグの産卵は,日没近く。
雌雄のペアが海面に向かって上昇しつつ,
分離浮性卵を産むんだそうです。


2006.10.13公開
2008.10.19更新